こんにちわ😄
今回は内側ハムストリングスを構成する「半膜様筋」について見ていこうと思います
この半膜様筋の停止部は一般的には「脛骨」ですが、細かく見ていくと脛骨以外にも多様な場所に付着していることがわかります
ですのでこのブログ記事では「半膜様筋の停止部（遠位付着部）」を詳細に見ていきます❗️
半膜様筋の停止部は5つ？6つ？7つ？
半膜様筋の基礎
まず初めに半膜様筋の解剖学的な基礎のおさらいです
- 起始（近位付着部）：坐骨結節
- 停止（遠位付着部）：脛骨
- 作用：膝関節の屈曲、膝関節の内旋、股関節の伸展
- 支配神経：坐骨神経
このように「半膜様筋の停止部」は脛骨ですが、細かく見ていくとこの筋肉は非常に様々な場所に付着しています
現在、書籍や文献によると「半膜様筋の停止部は5〜6つ」あると考えられています
ここからはその5〜6つの停止部を見ていきます
半膜様筋の停止部
早速ですが、以下が半膜様筋の付着部となります
- 後方関節包
- 内側半月板後角
- 脛骨内側顆後面
- 膝窩筋腱膜
- 斜膝窩靭帯
- 後斜走靭帯
言葉だけでは分かりずらいですが、膝の後面に幅広く付着しています
下の図は半膜様筋の付着部の多様さをわかりやすく表している図です
この図が載っている書籍では半膜様筋の付着部を5つとしています
ただ他の文献では半膜様筋の付着部を6つとしているものもあります（参照資料３）
さらなる付着部も！？
半膜様筋の付着部に関する文献を調べると、なんと上記の6つ以外にも付着している部分がありました
その部位は「外側半月板後角」です（参照資料５）
参照した研究によれば42名の献体のうち、44.3%の方の半膜様筋は外側半月板後角に付着していたと報告しています
半膜様筋の付着部から考えられること
今まで見てきた様に半膜様筋の付着部は膝関節の後面に広く分布しています
また内側半月板、そして外側半月板に付着している可能性もあります
これらのことを考えると半膜様筋は膝の屈曲・内旋だけでなく、安定性や可動性にも非常に関わっているのではないかと考えられます
- 半膜様筋は膝窩の靭帯に付着することで靭帯の緊張具合に関与し、それゆえ膝後面の安定性に関わっている可能性がある
- 半膜様筋は内外側の半月板に付着することで膝の屈伸時の半月板の動きを促進・制御している可能性がある
- 半膜様筋は膝窩筋に付着することで、それぞれの膝の内旋動作を補い合っている可能性がある
まとめ
今回のまとめです！
＜半膜様筋の付着部＞
- 後方関節包
- 内側半月板後角
- 脛骨内側顆後面
- 膝窩筋腱膜
- 斜膝窩靭帯
- 後斜走靭帯
これらの付着することで半膜様筋は膝の安定性と可動性のどちらにも非常に密接に関わっていると考えられる
参照資料
３ De Maeseneer M, Shahabpour M, Lenchik L, Milants A, De Ridder F, De Mey J, Cattrysse E. Distal insertions of the semimembranosus tendon: MR imaging with anatomic correlation. Skeletal Radiol. 2014 Jun;43(6):781-91. doi: 10.1007/s00256-014-1830-9. Epub 2014 Feb 19. PMID: 24549828.
４ Beltran J, Matityahu A, Hwang K, Jbara M, Maimon R, Padron M, Mota J, Beltran L, Sundaram M. The distal semimembranosus complex: normal MR anatomy, variants, biomechanics and pathology. Skeletal Radiol. 2003 Aug;32(8):435-45. doi: 10.1007/s00256-003-0641-1. Epub 2003 May 24. PMID: 12768244.
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