
こんにちわ😄

今回は胸骨と鎖骨の間にある「胸鎖関節」の構造と機能について見ていこうと思います

胸鎖関節:構造と機能
胸鎖関節の構造

胸鎖関節はちょうど喉の下、首の付け根の部分にあります


胸鎖関節は胸骨と鎖骨によって形成される関節です

精確には胸骨の鎖骨切痕と鎖骨の胸骨端が合わさることで関節を成します



胸鎖関節には膝関節と同じような半月板が存在しています(参照資料4)


胸鎖関節を成すのは胸骨の鎖骨切痕と鎖骨の胸骨端ですが、そのどちらも僅かな窪みがある程度で、ほとんど平坦な形をしています

さらに関節の形状は鎖骨切痕の上に胸骨端が「載っかっている」いるような状態です

このような特徴から関節の動きの自由度は高いことが予想され、その緩衝材として半月板が存在していると考えています
胸鎖関節の機能
胸鎖関節の動き

胸鎖関節では主に6つの動きが起きます

その動きは挙上、下制、水平伸展、水平屈曲、前方回旋、後方回旋です
<胸鎖関節の動き>
- 挙上
- 下制
- 水平伸展
- 水平屈曲
- 前方回旋
- 後方回旋




胸鎖関節の動きは肩甲上腕関節の動きと合わせると覚えやすいかと思います

胸鎖関節の挙上→肩甲上腕関節の外転、胸鎖関節の下制→肩甲上腕関節の内転といった具合です
<胸鎖関節と肩甲上腕関節の関係>
胸鎖関節 | 肩甲上腕関節 |
挙上 | 外転 |
下制 | 内転 |
水平伸展 | 水平伸展 |
水平内転 | 水平内転 |
前方回旋 | 伸展 |
後方回旋 | 屈曲 |

なお、この表は覚えやすくするために非常にシンプルにしたもので、胸鎖関節の挙上は肩甲上腕関節の外転以外にも屈曲でも起こりますので、外転時以外には起こらないということではありません
胸鎖関節の凹凸構造

胸鎖関節は鎖骨切痕、胸骨端のそれぞれに凹凸構造があります

この凹凸構造によって関節の滑り動作などの関節包内運動が発生します

胸鎖関節の複雑なところが、この凹凸構造が動きによって変わってくるところです

右の胸鎖関節を正面から見ると、胸骨側(鎖骨切痕)は凹、鎖骨側(胸骨端)は凸として動きます


それゆえに胸鎖関節が挙上する場合、鎖骨は胸骨に対して下方にスライドします

反対に胸鎖関節が下制する場合、鎖骨は胸骨に対して上方にスライドします


右の胸鎖関節を上から見ると、胸骨側(鎖骨切痕)は凸、鎖骨側(胸骨端)は凹として動きます


それゆえに胸鎖関節が水平伸展するとき、鎖骨は胸骨に対して後方スライドしていきます

反対に胸鎖関節が水平屈曲する時は、鎖骨は胸骨に対して前方スライドしていきます


胸鎖関節の前方回旋と後方回旋の場合、胸骨側が凹、鎖骨側が凸となります

この回旋運動だけではスライド運動は起きませんが、胸鎖関節が挙上する場合は後方回旋、下制する場合は前方回旋が起きるので、実際にはそれらの関節方内運動が起こります
まとめ

今回のまとめです!
- 胸鎖関節は胸骨の鎖骨切痕と鎖骨の胸骨端から成る関節
- 関節内には半月板があり、運動の自由度が高い
- 胸鎖関節の動きは挙上、下制、水平伸展、水平屈曲、前方回旋、後方回旋の6つ
- 胸鎖関節の凹凸構造は動きによって異なり、挙上・下制・前方回旋・後方回旋では胸骨側が凹で鎖骨側が凸、水平伸展と水平屈曲では胸骨側と凸で鎖骨側が凹
参照資料
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