後頭部にある筋群の付着部をまとめてみる

頭部/脳

アメリカ産アスレティックトレーナー(ATC)。リハビリ/トレーニング/治療、どれにおいても『解剖学』の知識と理解は欠かせないと日に日に感じています。解剖学をもっと勉強するため、そして私の知識が誰かの為になればいいなと思いブログを書いています!

Yoshihiko TKをフォローする
SNSフォローボタン
Yoshihiko TKをフォローする

こんにちわ😄

今回の記事では「後頭部と乳様突起付近に付着する筋群とその付着位置」を見ていこうと思います

後頭部にある筋群の付着部をまとめてみる

今回まとめる筋群

今回取り上げる筋肉の名前と付着部は以下のものになります!

英語日本語付着部
Trapezeius僧帽筋後頭骨
Semispinalis capitis頭半棘筋後頭骨
Rectus capitis posterior minor小後頭直筋後頭骨
Rectus capitis posterior major大後頭直筋後頭骨
Obliquus capitis superior上頭斜筋後頭骨
Sternocleiodmastoid胸鎖乳突筋側頭骨
Splenius capitis頭板状筋側頭骨
Longissimus capitis頭最長筋側頭骨
Digastric, posterior belly顎二腹筋後腹側頭骨

ぱっと見では数が多くて覚えにくそうですが、付着部の位置関係などを見ながら覚えるとわかりやすいと思います!

付着部のまとめ

では上記で紹介した筋肉の付着部を見ていきます!

付着部を覚える上でわかりやすいのが、骨のランドマークを覚え、そのランドマークと筋肉の位置関係を見ていくやり方かと思います

そしてもう1つは大きい筋肉は身体の中心よりも外側に、小さい筋肉は身体の中心に近い場所に付着しているというのも筋肉の付着部を覚えるのには役立つかと思います

まずは後頭骨に付着する5つの筋肉を見ていきます

後頭骨に付着する筋肉

後頭骨に付着する筋肉は以下の5つです

  • 僧帽筋
  • 頭半棘筋
  • 小後頭直筋
  • 大後頭直筋
  • 上頭斜筋

これらの筋肉の付着部を覚える際に鍵となるのが後頭骨の上項線と下項線です

上項線と下項線

後頭骨にある水平状の突起部分、2本ある内の上方が上項線下方が下項線です

参照資料1
参照資料1

そして後頭骨に付着する5つの筋群の付着部を覚える際は、「上項線か」、「上項線と下項線の間か」、「下項線か」の3つの選択肢のみある、ということが分かれば覚えやすいかと思います

<5つの筋肉の付着部の選択肢>

  1. 上項線(赤丸)
  2. 下項線(黄色丸)
  3. 上項線と下項線の間(青丸)
参照資料1

結論から言ってしまうと、上項線に付着しているのが僧帽筋、上項線と下項線の間に付着しているのが頭半棘筋、下項線に付着しているのが残りの3つの筋肉となります

<5つの筋肉の付着部>

  1. 上項線←僧帽筋
  2. 下項線←小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋
  3. 上項線と下項線の間←頭半棘筋
参照資料1

また大きい筋肉は身体の中心よりも外側に、小さい筋肉は身体の中心近くに付着することも5つの筋肉の付着部を覚えるのに役立ちます

上項線は下項線よりも後方にあり身体の中心から遠ざかります

それゆえ5つの筋肉の中で一番大きい僧帽筋が付着します

そして身体の中心に近い下項線は5つの筋肉の中では小さい小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋が付着します

最後に僧帽筋よりも小さく、他の3つの筋肉よりも大きい頭半棘筋が上項線と下項線の間に付着します

<大きい筋肉は外側に、小さい筋肉は内側に付着>

  • 上項線←下項線よりも外側に位置

<筋肉の大きさ>

  • 僧帽筋 > 頭半棘筋 > その他3つ(小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋)

<これらをまとめると>

  • 上項線(身体の外側)←僧帽筋(一番大きい筋肉)が付着
  • 下項線(身体の内側)←その他3つ(一番小さい筋群)が付着
  • 上項線と下項線の間←頭半棘筋が付着
もう少しよく見ると、、、

そしてこれらの5つの筋群の付着部をもう少しよく見ると、筋によっては若干内側気味に、もしくは外側気味に付着しているのがわかります

もう少しよく見ると
参照資料1

この写真の様に

  • 僧帽筋、頭半棘筋、小後頭直筋は正中に近い場所に付着
  • 大後頭直筋は小後頭直筋よりも外側に付着
  • 上頭斜筋は大後頭直筋よりもさらに外側に付着

上記のことがわかります

以上のことをまとめると↓

  • 僧帽筋は上項線の正中部付近に付着
  • 頭半棘筋は上項線と下項線の間の正中部付近に付着
  • 小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋は下項線に付着し、小後頭直筋→大後頭直筋→頭頭斜筋の順で正中部から外側に移動する様に付着

側頭骨に付着する筋群

次に側頭骨の乳様突起に付着する筋肉を見ていきます

乳様突起の場所
参照資料2

側頭骨の乳様突起は耳の後ろに位置しています

そして乳様突起に付着する筋肉は以下の4つです

  • 胸鎖乳突筋
  • 頭板状筋
  • 頭最長筋
  • 顎二腹筋後腹

※顎二腹筋後腹の正確な付着部は側頭骨乳突部ですが、位置が近いので乳様突起に付着している筋群と一緒に紹介しています

この4つの筋群の付着部位はシンプルで、外側から内側に向かって胸鎖乳突筋→頭板状筋→頭最長筋→顎二腹筋後腹になっています

乳様突起周辺の付着部位

<乳様突起の付着部:外側→内側>

胸鎖乳突筋(赤)頭板状筋(青)→頭最長筋(黄)→顎二腹筋後腹(緑)

参照資料3
参照資料3

この図は頭蓋骨を下から見た図です

乳様突起の外側から内側にかけて筋肉が並ぶ様に付着しているのがわかります

まとめ

今回のまとめです!

<後頭骨に付着する筋群とその付着位置>

僧帽筋上項線、正中部
頭半棘筋上項線と下項線の間、正中部
小後頭直筋下項線、正中部
大後頭直筋下項線、小後頭直筋より外側部
上頭斜筋下項線、大後頭直筋より外側部

<側頭骨乳様突起に付着する筋群とその付着位置>

胸鎖乳突筋乳様突起(外側)
頭板状筋乳様突起(中間)
頭最長筋乳様突起(内側)
顎二腹筋後腹乳様突起(最内側:正確には乳突部)

参照資料

1 からだの構造と機能Ⅰ (GAIA BOOKS) P.26

2 ネッター解剖学アトラス原書第5版 P.26

3 Atlas of Anatomy P.465

4 ネッター解剖学アトラス原書第5版 P.168

5 ネッター解剖学アトラス原書第5版 P.170

6 ネッター解剖学アトラス原書第5版 P.53

今日のオススメ書籍

毎回解剖学に関するオススメ書籍を紹介しています!

アナトミー・トレイン 第4版 Web動画付 徒手運動療法のための筋膜経線 | Thomas W.Myers, 板場英行, 石井慎一郎 |本 | 通販 | Amazon
AmazonでThomas W.Myers, 板場英行, 石井慎一郎のアナトミー・トレイン 第4版 Web動画付 徒手運動療法のための筋膜経線。アマゾンならポイント還元本が多数。Thomas W.Myers, 板場英行, 石井慎一郎作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。またアナトミー・トレイン 第4版 Web動...

コメント

タイトルとURLをコピーしました