後頭下筋群の付着部のまとめ

アメリカ産アスレティックトレーナー(ATC)。リハビリ/トレーニング/治療、どれにおいても『解剖学』の知識と理解は欠かせないと日に日に感じています。解剖学をもっと勉強するため、そして私の知識が誰かの為になればいいなと思いブログを書いています!

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こんにちわ😄

今回の記事では後頭部にある後頭下筋群の付着部についてまとめていこうと思います

参照資料1

後頭下筋群の付着部のまとめ

後頭下筋群は後頭部にある筋肉のグループです

その筋肉のグループは以下の4つの筋肉から構成されています

<後頭下筋群>

  1. 大後頭直筋
  2. 小後頭直筋
  3. 上頭斜筋
  4. 下頭斜筋

ここからはこの4つの筋肉の付着部を1つずつ見ていこうと思います

大後頭直筋

大後頭直筋はC2の棘突起から後頭骨に向かって伸びている筋肉です

参照資料1

大後頭直筋の付着部は第2頚椎棘突起と後頭骨下項線の中部1/3です

<大後頭直筋の付着部>

  • 起始:第2頚椎棘突起
  • 停止:後頭骨下項線の中部1/3
参照資料1
参照資料2

上記の写真のように、横から見ると真っ直ぐ直線的に伸びていますが、後ろから見ると真ん中から少し斜め外側に向かって伸びています

また大後頭直筋は第1頚椎と第2頚椎の間の硬膜にも付着していると報告している論文もあります(参照資料3)

小後頭直筋

小後頭直筋はC1の棘突起から後頭骨に向かって伸びている筋肉です

参照資料1

形状として大後頭直筋と似ていますが、起始の部分、頚椎の付着部の所が違います

小後頭直筋の付着部は第1頚椎棘突起と後頭骨下項線の内側1/3です

<小後頭直筋の付着部>

  • 起始:第1頚椎棘突起
  • 停止:後頭骨下項線の内側1/3
参照資料1
参照資料2

小後頭直筋は横から見ると少し上後方に走り、後から見るとほぼ真っ直ぐ伸びていきます

大後頭直筋と同様に、小後頭直筋も第1頚椎と後頭骨の間の硬膜に付着していると報告している研究があります(参照資料4)

上頭斜筋

上頭斜筋はC1の横突起から後頭骨に向かって伸びている筋肉です

参照資料1

上頭斜筋の付着部は第1頚椎横突起と後頭骨下項線の中部1/3(大後頭直筋より上部)です

<上頭斜筋の付着部>

  • 起始:第1頚椎横突起
  • 停止:後頭骨下項線の中部1/3、大後頭直筋付着部よりも上部
参照資料1
参照資料2

この写真からわかるように、上頭斜筋は大後頭直筋や小後頭直筋とは形状が大きく異なります

後から見ると真っ直ぐC1の横突起から後頭骨に向かって伸びていますが、横から見ると筋肉の形状はより水平に走っていることがわかります

下頭斜筋

下頭斜筋はC2の棘突起からC1の横突起に向かって伸びている筋肉です

参照資料1

下頭斜筋は後頭下筋群で唯一、後頭骨に付着していません

下頭斜筋の付着部は第2頚椎棘突起と第1頚椎横突起です

<下頭斜筋の付着部>

  • 起始:第2頚椎棘突起
  • 停止:第1頚椎横突起
参照資料1
参照資料2

下頭斜筋は後ろから見ると上外側に向かって走り、横から見ると上前方に向かって走っています

下頭斜筋は後頭下筋群の中で1g辺りの筋紡錘の数が最も多いと報告している研究があります。次に多いのは上頭斜筋です。(参照資料5)

その他

一般的に後頭下筋群には含まれませんが、第1頚椎横突起と乳様突起を結ぶ”Atalantmastoid muscle”という筋肉も報告されています(参照資料6)

参照資料によればこの筋肉は15%の人に見つかり、第1頚椎横突起の上頭斜筋や下頭斜筋付着部の外側と乳様突起や肩甲挙筋腱に付着していると報告しています

まとめ

今回のまとめです!

<後頭下筋群の付着部>

  1. 大後頭直筋
    • C2棘突起、後頭骨下項線の中部1/3
    • C1-C2間の硬膜に付着していると報告あり
  2. 小後頭直筋
    • C1棘突起、後頭骨下項線の内側1/3
    • 後頭骨ーC1間の硬膜に付着していると報告あり
  3. 上頭斜筋
    • C1横突起、後頭骨下項線の中部1/3(大後頭直筋付着部よりも上部)
    • 後頭下筋群で2番に1g辺りの筋紡錘が多いと報告あり
  4. 下頭斜筋
    • C2棘突起、C1横突起
    • 後頭下筋群で唯一、後頭骨に付着しない
    • 後頭下筋群で最も1g辺りの筋紡錘が多いと報告あり

参照資料

1 Atlas of Anatomy p.28

2 Atlas of Anatomy p.28

3 Scali, Frank DC; Marsili, Eric S. DC†; Pontell, Matthew E. BSc. Anatomical Connection Between the Rectus Capitis Posterior Major and the Dura Mater. Spine: December 01, 2011 – Volume 36 – Issue 25 – p E1612-E1614, doi: 10.1097/BRS.0b013e31821129df

4  Gary D. Hack; Peter Ratiu; John P. Kerr; Gwendolyn F. Dunn; Mi Young Toh. “Visualization of the Muscle-Dural Bridge in the Visible Human Female Data Set”. The Visible Human Project, National Library of Medicine.

5 Kulkarni V, Chandy MJ, Babu KS. Quantitative study of muscle spindles in suboccipital muscles of human foetuses. Neurol India. 2001 Dec;49(4):355-9. PMID: 11799407.

6 Lee R, Pang SC, Borman WH, Herrin SO, Bale LSW. A prevalence study of the atlantomastoid muscle. Surg Radiol Anat. 2022 Oct;44(10):1349-1353. doi: 10.1007/s00276-022-03022-6. Epub 2022 Sep 25. PMID: 36155834.

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