
こんにちわ😄

今回は舌骨と肩甲骨の関係について肩甲舌骨筋を通して考えてみたいと思います

肩甲舌骨筋:舌骨と肩甲骨の関係 考察
肩甲舌骨筋のおさらい

肩甲舌骨筋とは舌骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉です


舌骨では舌骨体外側下面に付着し、総頸動脈の前方を下外側方向に走って肩甲骨に付着します

肩甲骨では肩甲切痕よりも内側部の上縁に付着します(下写真の赤丸周囲)


肩甲舌骨筋の主な機能は舌骨を下方に牽引すること、または固定することです(参照資料4)
舌骨と肩甲骨の関係

ここからは舌骨と肩甲骨の関係について考えていきたいと思います

ただ、最初から舌骨と肩甲骨の関係を考えると少し難しいので、まずは舌骨と頚椎の関係から見
ていきたいと思います

頚椎が屈曲や伸展を行う時、舌骨も頚椎の動きに伴って動きます

基本的には舌骨は頚椎の動きと同方向に動きますので、頚椎の屈曲では舌骨は下方移動、頚椎の伸展では舌骨は上方移動します

頚椎の側屈や回旋でも同じことが言えます。頚椎の右回旋であれば舌骨も右に動き、頚椎の右側屈であれば舌骨も右側屈します。

以下の表で頚椎と舌骨の動きをまとめています
頚椎の動き | 舌骨の動き |
屈曲 | 下方移動 |
伸展 | 上方移動 |
右回旋 | 右側方移動 |
左回旋 | 左側方移動 |
右側屈 | 右側屈 |
左側屈 | 左側屈 |

このように舌骨と頚椎は同じ方向への動きが起きます

それゆえに頚椎の可動制限があればそれは舌骨の可動制限に繋がり、その逆も起こり得ると考えます

ここで肩甲舌骨筋の付着部について考えると、舌骨に付着している筋肉の中で肩甲舌骨筋は最も身体の外側に付着部を持ちます(舌骨に付着する筋肉については以下の記事をご覧ください↓)

それ故に肩甲舌骨筋は舌骨の左右方向への動き(側方移動と側屈)に他の筋よりも強く関わっているのではないかと考えます

ですので、肩甲骨の位置によっても肩甲舌骨筋の機能が若干変わってくる可能性があります

先ほど述べたように肩甲舌骨筋は舌骨に付着する筋の中で最も外側(肩甲骨)に付着部を持ちます

それゆえに舌骨の左右方向への動きにより強く関わる可能性があり、付着部である肩甲骨の位置によってはその機能に何かしらの影響があることが考えられます

ここでは現場でよく見る肩甲骨が挙上、外転、下方回旋、内旋、前傾位を取っている場合を考えてみようと思います


肩甲舌骨筋は肩甲骨の上縁の肩甲切痕よりも内側部分に付着していることから、外転と下方回旋では肩甲舌骨筋は伸長位になる事が予想されます

反対に肩甲骨の挙上・内旋・前傾では肩甲舌骨筋は短縮位になるのではないかと考えます

実際の臨床では挙上・外転・下方回旋・内旋・前傾の動きの中でもより強いもの、そこまで強くないものとバラツキがあるので、その状態によって肩甲舌骨筋の状態も変わってくるかと思います

ただし、この例のように肩甲骨の状態によって肩甲舌骨筋の状態は変わり、それによって舌骨の動きへの影響もありうると考えます

そして舌骨の可動性への影響がある場合では、それはそのまま頚椎の可動性に影響を及ぼしていくと思います
まとめ

今回のまとめです!
- 頚椎の動きと舌骨の動きは同方向に起こる
- 肩甲舌骨筋は舌骨と肩甲骨に付着しており、舌骨に付着する筋群の中で最も外側の付着部を持つ筋肉
- 肩甲骨の位置によって肩甲舌骨筋の状態が変わり、それによって舌骨の動き、特に左右の方向への動きへの影響が強いと予想できる
- 肩甲骨の可動制限などの機能低下がが肩甲舌骨筋を通して舌骨へ、そして頚椎にも及ぶ可能性がある
参照資料
4 Toledano N, Dar G. Ultrasonographic measurements of the omohyoid muscle during shoulder muscles contraction. J Ultrasound. 2022 Nov 28. doi: 10.1007/s40477-022-00754-4. Epub ahead of print. PMID: 36437441.
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