
こんにちわ😄

今回は胸鎖関節の中にある関節円板(Articular Disk)の動きについて考えていこうと思います

胸鎖関節:関節円板の動きの考察
関節円板の位置

胸鎖関節の関節円板は関節の中に位置し、関節自体を二分するような「仕切り」となっています


関節円板は関節包や靭帯に付着し、さらに第1肋軟骨にも付着しています

胸鎖関節の形状と関節円板

胸鎖関節は胸骨と鎖骨からなる関節です(以前に胸鎖関節に関しての記事を書いていますので、そちらもご覧ください↓)

関節の形状としては凹凸構造はしていますが、鎖骨も胸骨も関節面は比較的平坦な形をしています


このような形状の胸鎖関節が動く際に、関節円板はその動きの緩衝材としての役割があると考えられます

これは膝の半月板の機能や、以前の記事での取り上げた「TFCCの関節円板の動き」から類推したものです(そちらの記事は↓)
関節円板の動きの考察

関節円板は胸鎖関節内でより圧がかかりやすい部位に移動してその圧を分散・吸収する役割があると上記のTFCCや膝の半月板の機能より類推します

ですので関節円板の動きを考察するために、まずは胸鎖関節の関節方内運動を見直していきます

胸鎖関節の関節包内運動は以下の通りです
胸鎖関節の動き | 関節包内運動 鎖骨は胸骨に対して、、、 |
挙上 | 下方スライド |
下制 | 上方スライド |
水平伸展 | 後方スライド |
水平屈曲 | 前方スライド |
前方回旋 | 後方スライド |
後方回旋 | 前方スライド |

上記の表に、胸鎖関節の動作時に圧が高まりやすい部位を加えると以下のようになるかと考えられます
胸鎖関節の動き | 関節包内運動 鎖骨は胸骨に対して | 圧が高まりやすい部位 |
挙上 | 下方スライド | 関節内側部 |
下制 | 上方スライド | 関節外側部 |
水平伸展 | 後方スライド | 関節後部 |
水平屈曲 | 前方スライド | 関節前部 |
前方回旋 | 後方スライド | 関節前下部 |
後方回旋 | 前方スライド | 関節後下部 |

そして関節円板はこの圧が高まりやすい部位に移動して、その圧の分散・吸収の機能も担っていると考えられます

それ故に上記の表に関節円板の動く方向を加えると以下のようになります
胸鎖関節の動き | 関節包内運動 鎖骨は胸骨に対して | 圧が高まりやすい部位 | 関節円板の動く方向 |
挙上 | 下方スライド | 関節内側部 | 内方 |
下制 | 上方スライド | 関節外側部 | 外方 |
水平伸展 | 後方スライド | 関節後部 | 後方 |
水平屈曲 | 前方スライド | 関節前部 | 前方 |
前方回旋 | 後方スライド | 関節前下部 | 前下方 |
後方回旋 | 前方スライド | 関節後下部 | 後下方 |
まとめ

今回のまとめです!
- 胸鎖関節の関節円板は胸鎖関節を二分するように位置する
- 関節円板の機能の1つとして圧の分散・吸収が考えられ、胸鎖関節が動いた際に圧が高まりやすい部位へ移動すると考えられる
参照資料
1 ネッター解剖学アトラス原書第5版 p.180
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