ケーラー脂肪体の動き

足部/足首

アメリカ産アスレティックトレーナー(ATC)。リハビリ/トレーニング/治療、どれにおいても『解剖学』の知識と理解は欠かせないと日に日に感じています。解剖学をもっと勉強するため、そして私の知識が誰かの為になればいいなと思いブログを書いています!

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こんにちわ😄

今回の記事では足首の後ろ側にあるケーラー脂肪体(Kager’s Fat Pad)の動きについて見ていこうと思います

参照資料1

ケーラー脂肪体の動き

ケーラー脂肪体の構造と位置

ケーラー脂肪体とは足首の後ろ側、ちょうと足首の関節とアキレス腱の間にある脂肪体を指します

参照資料1

ケーラー脂肪体は主に3つの部分から構成されています

それらはアキレス腱パート、長母趾屈筋パート、後部踵骨楔状パートです(参照資料2、3、44)

<ケーラー脂肪体を構成する3部位>

  • アキレス腱パート
  • 長母趾屈筋パート
  • 後部踵骨楔状パート

アキレス腱パートはその名の通りアキレス腱に近い部分です

実際のところもアキレス腱のParatenonの中に位置していると報告されています(参照資料3)


長母趾屈筋パートはアキレス腱パートと長母趾屈筋の間に位置します(参照資料3)

また、長母趾屈筋パートは長母趾屈筋の腱鞘内にあると報告している研究もあります(参照資料4)

アキレス腱パートと長母趾屈筋パートは下部にて結合していると報告されています(参照資料4)


後部踵骨楔状パートは上記のアキレス腱パートと長母趾屈筋パートが結合する部分の遠位に位置し、ちょうど踵骨隆起の上部にあります

この後部踵骨楔状パートはアキレス腱とは付着していないと報告されています(参照資料3)


ケーラー脂肪体の様な関節の近くにある脂肪は関節が動く際にクッションの役割をする場合が多いですが、このケーラー脂肪体が足関節の底屈と背屈時にどのように動くのかを見ていきたいと思います

ケーラー脂肪体の動き

ケーラー脂肪体の3部位は足関節の底屈と背屈において以下の様に動くと報告されています(参照資料3、4)

底屈背屈
アキレス腱パート上方移動下方移動
長母趾屈筋パート下方移動上方移動
後部踵骨楔状パート後踵骨滑液包に向けて
アキレス腱と踵骨の間に
入り込む
アキレス腱と踵骨の間から
出てきて踵骨隆起の
上部に戻る

後部踵骨楔状パートの動きは長母趾屈筋の活動とは関係なく、アキレス腱の動きに関係していると報告されています(参照資料3)

また後部踵骨楔状パートの底屈時の動きは他動運動→非荷重での自動運動→荷重での自動運動(片足踵上げ運動)で動きの幅が大きくなります

他動運動では平均4.8mm、非荷重での自動運動では平均7.4mm、荷重での自動運動では平均11.2mmと報告されています(参照資料3)

まとめ

今回のまとめです!

  • ケーラー脂肪体(Kager’s Fat Pad)は足首の後方に位置する脂肪体
  • ケーラー脂肪体は主に3部位に分けられ、それはアキレス腱パート、長母趾屈筋パート、後部踵骨楔状パート
  • 足関節底屈時にはアキレス腱パートは上方移動、長母趾屈筋パートは下方移動、後部踵骨楔状パートは後踵骨滑液包に向けて入り込む
  • 足関節背屈時には底屈時と反対の動きが起こる
  • 後部踵骨楔状パートの動きの幅は他動→自動(非荷重)→自動(荷重)の順で大きくなる

参照資料

1 Atlas of Anatomy p. 411

2 運動療法その前に! 運動器の臨床解剖アトラス p.244

3 Ghazzawi A, Theobald P, Pugh N, Byrne C, Nokes L. Quantifying the motion of Kager’s fat pad. J Orthop Res. 2009 Nov;27(11):1457-60. doi: 10.1002/jor.20900. PMID: 19396861.

4 Theobald P, Bydder G, Dent C, Nokes L, Pugh N, Benjamin M. The functional anatomy of Kager’s fat pad in relation to retrocalcaneal problems and other hindfoot disorders. J Anat. 2006 Jan;208(1):91-7. doi: 10.1111/j.1469-7580.2006.00510.x. PMID: 16420382; PMCID: PMC2100176.

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