
こんにちわ😄

今回の記事ではTFCCを構成する1つの組織である「関節円板の動き」について考えていきます

TFCCの関節円板の動き:考察
関節円板の位置と付着部

TFCCは手根骨と尺骨の間のスペースを埋めるように位置しています


その中で関節円板はTFCCの内部にあります


そして関節円板は尺骨の茎状突起と橈骨の尺骨切痕に付着していると考えられています

手関節の動きと関節円板の動き

手関節は背屈、掌屈、橈屈、尺屈が主な動きです

これに加えて橈尺関節による回内、回外運動にも関わります

まずは手関節の動きの際の関節円板の動きを見ていきます

手関節の動きの中でまずは「尺屈」から見ていきます

神戸大学が発表した研究では健常者の関節円板は尺屈時に尺側に移動していることを超音波で確認しています(参照資料3)

尺屈時では手根骨と尺骨のスペースが狭まり圧がかかりやすくなるので、その分散や吸収のために尺側に移動することが考えられます

また、TFCC損傷患者では尺屈時の関節円板の尺側移動が少なかったと報告しています(参照資料3)

上記の結果から尺屈では関節円板は尺側移動することから、橈屈ではその反対が起こると予想されます

ですので橈屈では関節円板は橈側に移動すると考えられます

次に背屈時の関節円板の動きを考えていきます

関節円板の役割を考えると、より圧がかかる方向に移動する事でその圧の分散や吸収をしていると予想します

その前提であれば背屈時では手根骨と尺骨の背側で圧が強まると考えられるので、関節円板は背側移動すると考えられます

掌側に関しても同じ考えで、関節円板は掌側移動すると考えられます

次に回内と回外時の関節円板の動きを考えていきます

参照資料4によれば前腕回旋時には関節円板は”橈骨に追随する”と記載があります

これだけでは関節円板の詳細な動きはわかりませんが、回内時と回外時の手関節の動きから類推してみようと思います

前腕を自動で最大回内すると、自然と手関節では背屈+橈屈が起こります

反対に前腕を自動で最大回外すると、自然と手関節では掌屈+尺屈が起こります

これらの現象から考えると、回内時には関節円板は背側と橈側に移動し、回外時では掌側と尺側に移動するのかと予想します
まとめ

今回のまとめです!
<関節円板の動きの方向>
- 手関節の背屈:背側移動
- 手関節の掌屈:掌側移動
- 手関節の橈屈:橈側移動
- 手関節の尺屈:尺側移動
- 前腕回内:背側+橈側移動
- 前腕回外:掌側+尺側移動
参照資料
1 ネッター解剖学アトラス原書第5版 p.443
2 ネッター解剖学アトラス原書第5版 p.427
4 からだの構造と機能 Ⅰ p.172
今回のオススメ書籍

毎回解剖学に関するオススメ書籍を紹介しています!

脳振盪専門ブログのご案内

「しっかりアナトミー」の他にもスポーツ中の脳振盪専門ブログを続けています

ぜひそちらもご覧ください👇

店舗のご紹介

このブログの著者が経営している店舗のご紹介です

東京都文京区にてリコンディショニグ、競技復帰へのリハビリ、パーソナルトレーニング、脳振盪リハビリなどを行っています
セミナーのお知らせ

私が講師を務めるセミナーのご案内です
コメント