
こんにちわ😄

今回の記事では胸鎖関節とその関節の後方に位置する胸骨舌骨筋・胸骨甲状筋の関係について考えていこうと思います

胸鎖関節:胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋
胸鎖関節

胸鎖関節は胸骨と鎖骨によって形成される関節です


胸鎖関節の構造と機能に関しては前回の記事で詳しく書いていますので、そちらをご覧ください↓
胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋

胸骨舌骨筋も胸骨甲状筋も胸骨に付着する筋肉です


どちらの筋肉も胸骨の後面に付着しています

胸骨舌骨筋は胸骨と舌骨に付着する筋肉です

胸骨舌骨筋の付着部(参照資料5)
- 起始:胸骨後面、後胸鎖靭帯、鎖骨内側後面
- 停止:舌骨体

胸骨甲状筋は胸骨と甲状軟骨に付着する筋肉です

胸骨甲状筋の付着部(参照資料6)
- 起始:胸骨後面(胸骨舌骨筋よりも下部)
- 停止:甲状軟骨
胸鎖関節:胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋

今まで見てきたように胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋は胸骨の後面に付着します

それ故にどちらの筋肉も胸鎖関節の後面を跨ぐ形となります


胸鎖関節はその後方には気管や食道、大動脈弓や上大静脈があるので、鎖骨の後方への脱臼は生命に関わります

胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋は胸鎖関節の後方にあることから、鎖骨の後方脱臼を防ぐ役割もあると考えられます

ですが、胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋の伸長性の過剰な低下は胸鎖関節の可動性に影響を及ぼす可能性も考えられます

胸鎖関節の動きの中では、特に水平伸展や水平屈曲に関わってくるのではないかと考えています



胸鎖関節の水平伸展では、鎖骨は胸骨に対して後方にスライドする必要があります

この時に胸骨舌骨筋や胸骨甲状筋の伸長性の低下があると、胸鎖関節の後方にスペースが作れずに鎖骨がうまくスライド出来にくくなるのではないかと考えます

反対に胸鎖関節の水平屈曲では鎖骨は胸骨に対して前方スライドする必要があります

胸骨舌骨筋や胸骨甲状筋は胸鎖靭帯にも付着していることから、関節自体を後方に牽引する力が発生する場合があると考えられます

胸鎖関節の水平屈曲では鎖骨は前方にスライドする必要があることから、この後方牽引力と相殺してしまって適切な関節動作が起きにくくなるのではないかと考えます

上記に対する補足として、胸骨舌骨筋が後胸鎖靭帯に付着していることを考えたいと思います


後胸鎖靭帯は胸鎖関節の横断面上での前後運動を最も制限する靭帯です(参照資料9)

この後胸鎖靭帯に胸骨舌骨筋が付着している場合、後胸鎖靭帯の機能を補助する役割があると考えられます

胸鎖関節の横断面上での前後運動とは水平伸展や水平屈曲で起きてくる関節運動なので、胸骨舌骨筋は胸鎖関節の関節運動に関与している可能性が高いと考えます

胸骨甲状筋は靭帯への付着を示す記述などは見受けられないので、この限りではないと思われます
まとめ

今回のまとめです!
- 胸鎖関節の後方には胸骨舌骨筋と胸骨甲状筋が位置している
- 胸骨舌骨筋は後胸鎖靭帯や胸骨後面に付着し、胸骨甲状筋は胸骨舌骨筋より下部の胸骨後面に付着する
- 胸鎖関節の水平伸展や水平屈曲では鎖骨は胸骨に対して後方スライド、前方スライドする必要があり、胸骨舌骨筋や胸骨甲状筋はその位置や付着部の関係から、それらの動きの制限因子となり得る
参照資料
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