小胸筋:起始と停止、そこから考えるストレッチ方法

肩・肩甲帯

アメリカ産アスレティックトレーナー(ATC)。リハビリ/トレーニング/治療、どれにおいても『解剖学』の知識と理解は欠かせないと日に日に感じています。解剖学をもっと勉強するため、そして私の知識が誰かの為になればいいなと思いブログを書いています!

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こんにちわ😄

今回の記事では「小胸筋の起始と停止、機能、そしてストレッチ方法」を考えていこうと思います

小胸筋:起始と停止、そこから考えるストレッチ方法

小胸筋

まず初めに小胸筋のおおまかなおさらいです!

小胸筋

小胸筋は三角形の形をした筋肉で左右の胸に1つずつあります

大胸筋よりも深層に位置しており、大胸筋を引き剥がすと見ることが出来ます

小胸筋の起始は「肋骨」、停止は「肩甲骨」です

ここからさらにその起始と停止の部分の細かい部分を見ていこうと思います

  • 小胸筋は三角形の形をした筋肉
  • 左右に1つずつあり、大胸筋よりも深層に位置する
  • 小胸筋は肋骨と肩甲骨に付着する

起始と停止

小胸筋は「肋骨」と「肩甲骨」に付着しますが、ここからはより詳細な部分を見ていきます

小胸筋の起始

まず最初に小胸筋の起始からです

小胸筋の起始は「肋骨」ですが、肋骨の中でも「第3〜5肋骨」に付着します

さらに「第3〜5肋骨」の中でも肋骨と肋軟骨の関節である「肋骨肋軟骨関節のすぐ外側」に付着します

小胸筋の起始の詳細がわかったところで、次は停止部分を見ていきたいと思います

小胸筋の停止

小胸筋の停止は「肩甲骨」ですが、肩甲骨の中でも「烏口突起」に付着します

烏口突起はフック(鉤爪)のような形をしていますが、このフックの内側部分に付着します

ここまでのまとめです

  • 小胸筋の起始:第3〜5肋骨、肋骨肋軟骨関節のすぐ外側に付着
  • 小胸筋の停止:肩甲骨の烏口突起、突起部分の内側に付着

ちなみに、、、、小胸筋は正面から見ると短い筋肉にも見えますが、横から見るとある程度の尺があるのがわかります

小胸筋の機能

小胸筋の起始と停止の詳細を見たところで、小胸筋の機能も併せて見ていこうと思います

小胸筋の機能

小胸筋は肋骨(起始)が固定されている場合は肩甲骨(停止)が動き、反対に肩甲骨(停止)が固定されている場合は肋骨(起始)が動きます

  1. 肋骨(起始)が固定:肩甲骨(停止)が肋骨(起始)に近づく
  2. 肩甲骨(停止)が固定:肋骨(起始)が肩甲骨(停止)に近づく

まず最初に肋骨が固定されている場合の小胸筋の機能について見ていきます

この場合では小胸筋は肩甲骨を外転、下制、下方回旋、内旋させる力を生み出します

次に肩甲骨が固定されている場合を見ていきます

この場合では肩甲骨は動かないので、肋骨が動きます

小胸筋によって肋骨には外旋(息を吸う時の動き)の力がかかります

  • 肋骨が固定の場合:小胸筋は肩甲骨を外転、下制、下方回旋、内旋させる
  • 肩甲骨が固定の場合:小胸筋は肋骨を外旋(息を吸う時の動き)させる

ストレッチ方法

では小胸筋の起始と停止、そして機能も見たところで最後に効率的なストレッチ方法について考えてみようと思います

ある筋肉をストレッチする際はその筋肉の起始と停止を遠ざけ合うのが原則です

ですのでこの場合は起始である「第3〜5肋骨」と停止である「肩甲骨の烏口突起」を遠ざける必要があります

  • 効率的なストレッチ:起始と停止を遠ざけあう
  • 小胸筋の起始「第3〜5肋骨」と停止「烏口突起」を遠ざけあう

ただし、遠ざけあうと言っても具体的にはわかりにくいです

ですので、ここでは小胸筋の機能に着目していきます

結論からいうと小胸筋の機能と真逆の動きをすれば、しっかりとしたストレッチが起こるはずです

小胸筋のストレッチ

小胸筋は①肩甲骨を外転、下制、下方回旋、内旋させ、さらに②肋骨を外旋(息を吸う時の動き)させます

これらの動きは小胸筋が収縮(縮まる)することで起きているので、これらと反対の動きをすれば小胸筋はストレッチされます

つまり肩甲骨は「外転、下制、下方回旋、内旋」の反対である「内転、挙上、上方回旋、外旋」をし、肋骨は「外旋(息を吸う時の動き)」とは反対の「内旋(息を吐く時の動き)」をすればいいということになります

この肩甲骨の動き(内転、挙上、上方回旋、外旋)をするには、腕を135度ほど外転し、そこから水平外転すると起きやすくなります

肋骨の方はシンプルで、息をしっかり吐ききることで肋骨の「内旋」の動きを出すことができます

そしてこれは経験則ですが、上記の位置でしっかりと小胸筋をストレッチしつつ深呼吸を行うことで、肺の拡張によってさらに小胸筋の伸長感が増すことが多いです

  • 効率的なストレッチ:肩甲骨を「内転、挙上、上方回旋、外旋」させ、肋骨を「内旋」させる
  • 小胸筋をストレッチしながら深呼吸することもオススメ

まとめ

今回のまとめです!

  • 小胸筋の起始:第3〜5肋骨、肋骨肋軟骨関節のすぐ外側
  • 小胸筋の停止:肩甲骨烏口突起の内側
  • 小胸筋の機能①:肋骨が固定されている場合、肩甲骨を「外転、下制、下方回旋、内旋」させる
  • 小胸筋の機能②:肩甲骨が固定されている場合、肋骨を外旋(息を吐く時の動き)させる
  • 小胸筋の効率的なストレッチ:小胸筋の機能と反対の方向に肩甲骨と肋骨を動かす
  • →肩甲骨を「内転、挙上、上方回旋、外旋」させ、肋骨を「内旋」させる

参照資料

1 Atlas of Anatomy

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