
こんにちわ😄

今回は「肩こり」の原因の1つとよく言われている「肩甲挙筋」について、その構造や機能について見ていこうと思います

肩甲挙筋:構造と機能
肩甲挙筋の構造

最初に肩甲挙筋の構造について見ていきます


肩甲挙筋の起始は第1〜4頚椎の横突起後結節、停止は肩甲骨上角から内側縁上部です(参照資料2)
<肩甲挙筋の付着部>
起始:第1〜4頚椎の横突起後結節

停止:肩甲骨上角、内側縁上部(肩甲棘よりも上部)


他の付着部としては、肩甲挙筋が乳様突起に付着していたケースを報告している文献もあります(参照資料5)

また、肩甲挙筋は小菱形筋、前胸筋上部繊維などとの筋連結を報告している研究もあります(参照資料6)
肩甲挙筋の機能
基礎

ここからは肩甲挙筋の機能について見ていこうと思います

肩甲挙筋はその名の通り、「肩甲骨」を「挙げる」作用を持つ筋肉です


そしてそれ以外にも肩甲骨の「下方回旋」「前傾」「内転」に関わります




肩甲骨の動きの詳細に関してはこちらの記事をご覧ください↓

肩甲挙筋は肩甲骨を動かす作用の他にも、頚椎を動かす作用もあります

具体的には頚椎の「伸展」「同側への側屈」「同側への回旋」に関わります

<肩甲挙筋の機能>
- 肩甲骨に対して:挙上、前傾、内転、下方回旋
- 頚椎に対して:伸展、同側への側屈、同側への回旋
横突起と椎間関節の位置に着目して

ここでは肩甲挙筋の機能に関して、頚椎の横突起と椎間関節の位置に着目して考えたいと思います

頚椎は胸椎、腰椎と比較して、横突起が椎体の側方にあり、椎間関節よりも明らかに前方に位置しています




そして肩甲挙筋はこの頚椎の横突起後結節に付着しています

身体を側面から見ると肩甲骨は頚椎よりも後ろに位置するため、前方から横突起、椎間関節、肩甲骨という順番で並ぶことになります


この位置関係によって肩甲挙筋が頚椎に対して作用する場合、頚椎を後方にスライドし椎間関節を圧迫する力も発生すると考えられます


頚椎は腰と同じように前弯のカーブを有しており、頚椎を後方にスライドすることでこの前弯の形成に関わっていると考えられます


また、頚椎の”しまりの肢位”(Closed Packed Position)は伸展位です

頚椎が伸展位にある場合、椎間関節は関節面同士が圧迫されている状態にあります

肩甲挙筋は頚椎を後方にスライドし椎間関節を圧迫に関与すると考えられるので、頚椎全体の”しまりの肢位”(Closed Packed Position)にも関わると考えれます
まとめ

今回のまとめです!
<肩甲挙筋の付着部>
- 起始:第1〜4頚椎の横突起後結節
- 停止:肩甲骨上角、内側縁上部(肩甲棘よりも上部)
<肩甲挙筋の機能>
- 肩甲骨に対して:挙上、前傾、内転、下方回旋
- 頚椎に対して:伸展、同側への側屈、同側への回旋
- 頚椎の後方スライド、椎間関節の圧迫、しまりの肢位の形成にも関与する可能性
参照資料
今回のオススメ書籍

毎回解剖学に関するオススメ書籍を紹介しています!

脳振盪専門ブログのご案内

「しっかりアナトミー」の他にもスポーツ中の脳振盪専門ブログを続けています

ぜひそちらもご覧ください👇

店舗のご紹介

このブログの著者が経営している店舗のご紹介です

東京都文京区にてリコンディショニグ、競技復帰へのリハビリ、パーソナルトレーニング、脳振盪リハビリなどを行っています
セミナー情報

私が講師を務める勉強会のご案内です
◆講習内容
・血流制限の科学
・リハビリ環境での使用
・適応と禁忌
・血流制限トレーニングのプログラミング
・10RMテストによる1RMの確立、レップ数とセット数と総量
・SMART Cuffs PROを用いた上肢・下肢のエクササイズ
・血流制限を用いたトレーニング、有酸素運動、リカバリー等
◆講習時間:9:45~17:30(途中休憩あり)
◆料金
通常:53,000円
早期割引:50,000円(4週間前までにご入金の場合)
超早割引:47,000円(10週間前までにご入金の場合)
学生割引:上記より17,000円割引
◆日時、場所
2022年12月18日 兵庫:G-arts(にしおか整骨院)
兵庫県西宮市二見町2-18(講師:爪川慶彦ATC)
コメント